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対象について

『カルテット』はどのような人が対象ですか。

『カルテット』は1と2に分かれており、『カルテット1』は初級(250~300時間)が終わった学習者、『カルテット2』は中級前半(350~400時間)が終わった学習者を対象にしています。

『カルテット』を使って自分で学習することはできますか。

『カルテット』は文法や読みのストラテジーの説明、単語訳が英語で書かれているため、英語が理解できれば自学自習も可能です。また、読み物の内容質問や文型・表現の練習が収録されているワークブックと、単語と漢字の練習ができるアプリと併用すると、より効果的に学べます。

授業時間数と進め方について

『カルテット』全12課を終了するのに、授業時間数はどのぐらい必要ですか。

『カルテット1』『カルテット2』それぞれ約100時間、合計200時間を想定しています。目安の授業時間数は、各課「読む」に8時間(文型・表現を含む)、「書く」に2時間、「話す」に3時間、「聞く」に1時間弱、「ブラッシュアップ」に2時間で、1課につき計16時間です。
※ここでの「時間」は、1時間=60分です。

『カルテット』で想定している授業時間より少ない場合でも使えますか。

授業時間数が限られる場合は、「読む」の文型・表現やブラッシュアップセクションを自習にする、会話や聴解、読み物を1つだけにするなど、各教育機関の授業時間数に合わせて調整可能です。また、カリキュラムや学習者のニーズに合わせて各セクションの比率を変えることもできます。

第1課から第12課まで順に進めなければいけませんか。

各課の学習項目は、次の課以降では「既習」として扱います。例えば、第1課で学習する文型・表現が第2課以降に再出しても、再出した課の「文型・表現ノート」には説明がありません。同様に、既習の単語、漢字には英訳、ルビが付きません。『カルテット1』(第1課~第6課)の場合、使用頻度の高い文型・表現、単語、漢字を扱っているため、第1課から順に進めることをおすすめします。『カルテット2』(第7課~第12課)は、学習者の興味やニーズに合わせて扱う順序を変えたり、扱う課を減らしたりすることも可能です。

「読む」「書く」「話す」「聞く」の順に進めなければいけませんか。

必ずしも「読む」から順に進めていく必要はありませんが、「読む」で各課の新出文型・表現が導入され、その新出文型・表現が他のセクションで使われることがあるため、「読む」から始めることが推奨されます。特に「書く」の作文は「読む」の読み物を基にしているため、「読む」を終えてから書くようにしてください。

他のテキストにはない「ブラッシュアップ」セクションや「読みのストラテジー」の効果的な活用法は?

「ブラッシュアップ」の「初級文法チェック(カルテット1)」では、初級文法をまとめて復習したり、発展練習をしたりできます。例えば、第2課の読み物には初級で勉強していない敬語表現が出てくるので、ブラッシュアップで確認してから読み物に進むと理解しやすいです。時間がない場合は、宿題にしたり、最初にある理解度チェック問題を行い、復習が必要な項目のみ取り上げてもいいでしょう。「上級へのチャレンジ(カルテット2)」にある「オノマトペ」「カタカナ語」は、言葉を日常生活の中から探して分類するプロジェクトにもできます。

「漢字チャレンジ(カルテット1・2)」の既習漢字の復習はすきま時間に15分ほど口頭で確認だけして、残りを宿題にしてもいいでしょう。音符や部首などのストラテジーを紹介しておけば、忘れてしまった単語・漢字や、新出の単語・漢字の読み方や意味を推測させることができます。

「読みのストラテジー」は、その課以降の読み物でも内容質問として繰り返し扱うことで定着を図ることができます。例えば、文構造(名詞修飾、強調構文など)や文と文のつながり(指示詞、順番を表す副詞・接続詞など)を理解するストラテジーを扱った質問をするといいでしょう。


『カルテット1』から『カルテット2』へ移行する際の「読み」対策は?

『カルテット1』の読み物はすべて書き下ろしですが、『カルテット2』はほぼ生教材なので、難しいと感じる学習者が多いかもしれません。学習者が生教材にスムーズに対応できるように『カルテット1』の第4課ぐらいから生教材の段階的な導入を心掛けてください。第6課の読み物2を読んだ後、同じトピックの「早期英語教育」に関する新聞記事をグループで読ませるなどの活動が考えられます。その際、全体の概要をつかむためのスキミングや重要な情報を探すためのスキャニング、文脈から語彙の意味を推測させるなどの指導もあわせて行ってください。また、学習者が興味を持ちそうなトピックや背景知識があるものを取り上げることで、生教材へのハードルが下がります。そして、読ませた後は、学習者自身の言葉で読んで理解した内容を説明させたり、ディスカッションをさせたりするなどのアウトプットの時間を持つようにすると、モチベーションが上がります。

技能別に授業担当者を分けていますが、うまく進めるコツは?

各教員が担当以外の技能セクションの内容も把握することが重要です。そのためには、コース主任がミーティングなどで他の技能との関連を伝えるとよいでしょう。例えば『カルテット1』第6課読み物1には「ゴミ分別」の話題が出てきますが、聴解1でも「ゴミ分別」を扱っているので、読み物の後に行う聴解担当者はウォームアップとして読み物の内容に触れると関連づけができ、単語強化やスキーマ活性にもなります。各セクションの関連は『教師用ガイド』の相関図(第3章各課最初のページ)をご参照ください。

また、学習者にも、今行っている活動が今後の活動にどうつながるかや、前の活動からどうつながっているかを意識させることが大切です。例えば、「読みのストラテジー(9)」では意見述べの表現を学びますが、その時に後に「書く」で投書文を書く時に使えることを伝えたり、「書く」の「書くポイント」の項目は「読みのストラテジー」で学んだ表現であることに言及したりするとよいでしょう。


大学以外の教育機関やプライベートレッスンでも使えますか。

読み物は学習者全般が関心を持てる内容になっているため、対象は大学生に限りません。会話は学生生活の場面のものが多いですが、学習者に合わせてロールプレイの状況設定を変更することができます。

授業時間数が限られる教育機関では、文型・表現や単語・漢字が導入される「読む」は必ず行い、それと同時に学習した項目をアウトプットにつなげる機会を設けてください。 プライベートレッスンでは、授業で教師とのやり取りの時間を多く取るために、読み物や文型・表現は予習ベースで進めると効率的です。予習した読み物の内容を確認した後に教師とディスカッションしたり、文型・表現の意味や使い方を確認した後にその文型・表現を使って教師とアウトプット練習を行ったりするとよいでしょう。アウトプットには『ワークブック』の「文型・表現ワークBまとめの練習」の作文や「文型・表現ワーク C口頭練習(『カルテット1』のみ)」が役立ちます。


学習内容について

『カルテット』で学習する漢字数は?

『カルテット1』で327字、『カルテット2』で330字、合計で657字を学習します。なお、『カルテット』は『初級日本語げんき』の学習漢字317字を既習として、新出漢字を導入しています。よって、『げんき』『カルテット』を終えた時点で974字の漢字を学習したことになります。

『カルテット』で学習する単語数は?

『カルテット』は読み物の単語を学習単語としており、『カルテット1』で約700語、『カルテット2』で約900語、合計約1,600語を学習します。また、特に重要な単語は「覚える単語」として取りあげられています。各課42~45語あり、本文以外の例文で単語の使い方を学習することができます。

教材について

テキスト付属音声の入手方法と内容を教えてください。

テキストの音声は、リソースライブラリ、または音声アプリ「OTO Navi」からダウンロードできます。
リソースライブラリ
ジャパンタイムズ出版の音声アプリ「OTO Navi」

音声には、「読み物1」「読み物2」の本文、「文型・表現ノート」の各項目の最初の例文、「会話1」「会話2」のモデル会話、「聴解1」「聴解2」、別冊「覚える単語と例文」が収録されています。

おすすめの補助教材はありますか。

『カルテット』準拠の単語&漢字学習アプリ「QUARTET Vocab & Kanji」「QUARTET2 Vocab & Kanji」があります(iOS & Android)。いつでもどこでも練習でき、漢字や単語の数が多くなる中級での学習者の負担や苦手意識を軽減できます。
著者制作の『カルテット』準拠アプリ