『4技能でひろがる 中級日本語カルテット』は、その名の通り、中級レベルの日本語学習者が「読む」「書く」「話す」「聞く」の4つのスキルをバランスよく伸ばすことを目標としています。 教材はVol. 1(第1課~第6課)とVol. 2(第7課~第12課)の2巻に分かれていて、それぞれにテキストとワークブックがあります。
Vol. 1ではJLPT日本語能力試験のN3レベル、Vol. 2ではN2レベルを中心とした文型・表現、漢字、単語、読みのストラテジーを学びます。例えば漢字は『初級日本語げんき』の学習漢字を既習として扱うなど、初級から中級へスムーズに移行できる内容となっています。1と2でCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB1レベルの内容を学び、B2レベル入り口までの到達を目指します。
『中級日本語カルテット』のテキストは、1つの課に「読む」「書く」「話す」「聞く」のセクションがあり、共通するテーマでつながっています。「読む」の読み物のトピックが「書く」の作文や「話す」の会話、「聞く」の聴解でも取り上げられていたり、聴解には読み物の文型・表現が使われていたりと、各セクションが様々な形で関連していることで、4つのスキルを自然にバランスよく伸ばすことができます。
読み物の単語リスト・漢字リストは、本文を見ながら使えるように、テキストに付属する「別冊」に収録しています。
また、課の後ろに「ブラッシュアップ」として、初級文法復習(Vol. 1)、語彙や表現を広げる活動(Vol. 2)、漢字に関するセクション(Vol. 1・2)があります。
文法説明・単語には英訳が付いています。
カルテット1 | |
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第1課 |
読む「日本を代表する有名人」 書く「私が尊敬する有名人」 話す「新しい出会い」 聞く「アメリカ人留学生から見た日本」 |
第2課 |
読む「メールと手紙」 書く「お礼の手紙」 話す「先生とのやりとり」 聞く「フランス人留学生から見た日本」 |
第3課 |
読む「日本を楽しむ」 書く「私の好きな町」 話す「友人との集まり」 聞く「イタリア人留学生から見た日本」 |
第4課 |
読む「外国での経験」 書く「座談会の記事」 話す「困った時には」 聞く「ドイツ人留学生から見た日本」 |
第5課 |
読む「和食のすすめ」 書く「私のおすすめ料理」 話す「週末の予定」 聞く「韓国人留学生から見た日本」 |
第6課 |
読む「日本社会への声」 書く「投書文を書く」 話す「寮生活でのトラブル」 聞く「中国人留学生から見た日本」 |
ブラッシュアップ |
初級文法チェック 漢字チャレンジ |
聴解 解答・スクリプト |
文型・表現さくいん 単語さくいん |
別冊 |
単語リスト 漢字リスト |
カルテット2 | |
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第7課 |
読む「異文化での気づき」 書く「経験からの学び」 話す「国際交流」 聞く「異文化コミュニケーション」 |
第8課 |
読む「インタビューに見るプロ意識」 書く「インタビュー記事」 話す「大切な物」 聞く「温泉事情」 |
第9課 |
読む「小説・エッセイを通じて考える愛」 書く「小説や映画のレビュー」 話す「ある日のできごと」 聞く「ペットに関する社会事情」 |
第10課 |
読む「データから考える社会」 書く「データ分析」 話す「学生生活」 聞く「格差社会」 |
第11課 |
読む「言葉の裏にあるもの」 書く「日本語と母語の違い」 話す「コミュニケーションスタイル」 聞く「若者のコミュニケーション」 |
第12課 |
読む「発想の転換」 書く「小論文」 話す「人や社会とのつながり」 聞く「求められる人材」 |
ブラッシュアップ |
上級へのチャレンジ 漢字チャレンジ |
聴解 解答・スクリプト |
文型・表現さくいん 単語さくいん |
別冊 |
単語リスト 漢字リスト |
詳しい内容はこちらをご覧ください。
『カルテット1』もくじ(PDFファイル)
『カルテット1』本書について(PDFファイル)
『カルテット2』もくじ(PDFファイル)
『カルテット2』本書について(PDFファイル)
ワークブックには、テキスト各課の「読み物」と「文型・表現ノート」に関する練習問題があります。
「読み物1」「読み物2」それぞれについて、A.読み物の内容に関する正誤問題、B.読みのストラテジーの問題、C.内容についてより詳しく問うタイプの問題、の3つを用意しました。
「文型・表現ノート」の項目に関する練習問題です。ワークブック1では、A.アウトプットまで求める項目(テキストで☆がついているもの)に関する基本問題、B.その課で出ているすべての文型・表現を網羅したまとめの問題、そしてC.その課の文型・表現を使って口頭で答える練習問題の3タイプが、ワークブック2ではAとBの2タイプがあります。
「初級文法チェック」(ワークブック1)のワークシートは、学習者の定着度を確認するために、まずテキストを見る前に行い、その後、理解が不十分な箇所をテキストで確認するのが効果的です。 「上級へのチャレンジ」(ワークブック2)と「漢字チャレンジ」(ワークブック1・2)のワークシートは、テキストで学んだあとにその確認として練習問題を行ってください。
カルテット1 | |
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全体の到達目標日本での留学生活でふだん出合うような日常的で身近な話題についてのテクストの主要点が理解できる。また、日常生活で遭遇する大抵の事柄について対処することができる。身近で個人的にも関心のある話題について紹介や説明をしたり、意見を理由とともに短く述べたりして、つながりのあるテクストを作ることができる。 |
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読む |
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書く |
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話す | 【やりとり】
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【発表】
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聞く |
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カルテット2 | |
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全体の到達目標日本での留学生活でふだん出合うような身近な話題や社会問題について、様々な文体のテクストの主要点が理解できる。日本での旅行や留学時に起こり得る困難な事態にも対処することができる。身近で個人的にも関心のある社会的なトピックについて、まとまりのあるテクストを作ることができ、根拠や理由を示して自己の立場を説明することができる。 |
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読む |
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書く |
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話す | 【やりとり】
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【発表】
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聞く |
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米国ボストン大学大学院博士課程修了。博士(応用心理言語学)。前第二言語習得研究会会長、元日本語教育学会副会長、南山大学名誉教授、名古屋外国語大学名誉教授。現在、名古屋外国語大学特任教授。
東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了。修士(言語科学)。南山大学を経て、現在、名古屋外国語大学国際日本語教育インスティテュート准教授。
米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院修士課程修了。修士(日本語学)。現在、南山大学外国人留学生別科⾮常勤講師。
米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院修士課程修了。修士(日本語学)。現在、南山大学外国人留学生別科⾮常勤講師。
米国インディアナ大学大学院博士課程修了。博士(言語教育学)。ノックス大学、コロンビア大学、南山大学を経て、現在、国際教養大学准教授。